仮設の映画館 Temporary CINEMA

『精神0』配信期間

全国一斉、2020年5月2日(土)10:00 ー 7月3日(金)18:00
配給会社 東風より配信終了のお知らせ (2020.6.20)

「仮設の映画館」『精神0』劇場イベント

⦿5月17日(日)15:00より開催した星野概念さん(精神科医など)×想田和弘監督×柏木規与子プロデューサーのトークイベントの配信映像は<こちら>でご覧いただけます。
---
⦿5月2日(土)16:00より開催した想田和弘監督 & 柏木規与子プロデューサーによる初日舞台挨拶の配信映像は<こちら>でご覧いただけます。

仮設の映画館とは?

観客が映画館へ足を運べない状況に対して

 ご承知のように新型コロナウイルスの影響は、映画にとっても甚大です。劇場が休館を余儀なくされたり、たとえ上映を続けていても観客が安心して鑑賞することができなければ、いずれは劇場だけでなく配給会社も製作者も閉館や廃業ということになりかねません。いま脅威にさらされているのは、観客、劇場、配給、製作者によってまわっている「映画の経済」です。では、新作映画を楽しみにしている観客、劇場、配給、製作者、みんなにとって何かよいことができないか。新作『精神0』の公開を控えた想田和弘監督と配給会社東風のスタッフで相談しました。

 そこで予定していた劇場公開と並行して、インターネット上に「仮設の映画館」をつくってみることにしました。ここには『精神0』を上映する各地の劇場が軒を連ねています。観客は、どの映画館で作品を鑑賞するのかを選ぶことができます。そして、その鑑賞料金(1,800円)は「本物の映画館」の興行収入と同じく、それぞれの劇場と配給会社、製作者に分配される仕組みです。

 これは、新型コロナウイルスの脅威によって停滞している「映画の経済」を回復させるための試みの一つです。そして、この認識と方法とを全国の劇場、配給会社、製作者、そして映画ファンのみなさんと広く共有することによってはじめて「仮設の映画館」は有効な施策となり、ともにこの状況を乗り切ることができるのではないか。そのように考えています。

 『精神0』の「仮設の映画館」での上映は全国一斉、5/2[土]から5/22[金]の3週間を予定しています(「本物の映画館」と同じく、ヒットしたら延長されるかもしれません)。さてまずは最寄りの劇場へ。そして、たまには懐かしい街の劇場を訪ねてみてください。もちろん状況が改善したら、ぜひ「本物の映画館」に足をお運びください。ここはあくまで「仮設の映画館」です。

合同会社 東風

仮設の映画館『精神0』概要

URL
https://www.temporary-cinema.jp/seishin0
鑑賞料金
一律1,800円
鑑賞料金の分配
プラットフォームの使用料等を差引後、一般的な興行収入と同様に、劇場と配給とで5:5で分配。さらに配給会社と製作者とで分配します。なお上映を予定していた劇場がそれぞれの事情により休映・休館した場合も「仮設の映画館」では続映し、その収益の分配の対象となります。 解説図
鑑賞期限
レンタル購入から24時間以内/ストリーミングのみ、ダウンロード不可。
運営
合同会社 東風(Webサイト
E-mail:info@tongpoo-films.jp

『精神0』想田和弘監督のメッセージ

映画がコロナ禍を生き延びるために
『精神0』を“仮設の映画館”で公開します
座して死を待つよりは

想田和弘

 新型コロナウイルス禍が深刻化するなか、映画を劇場で観て下さる方の数が激減し、全国の映画館が存続の危機に立たされています。
 特に拙作が上映されるような、単館系ミニシアターの窮状には、のっぴきならないものがあります。「封切ったばかりの新作なのにお客さんが1日で0だった」「このままでは劇場の家賃や人件費も払えないので廃業するしかない」といった悲鳴が聞こえてきます。
 だからといって、「皆さん、ぜひ映画館へ足を運んで応援を!」と積極的にお勧めできないのが、今回の危機の辛いところです。もちろん、厳しい換気基準をクリアした映画館で映画を鑑賞する行為は、消毒の徹底やマスクの着用、人数制限などを徹底すれば比較的感染リスクは低いと言われています。それでも、映画館とご自宅の移動中のリスクなども考え合わせると、推奨しにくいのが現実です。
 5月2日から僕の新作『精神0』も全国順次公開予定なのですが、正直、家族や友達にさえ「映画館に来てね!」とは言いづらい自分がいます。それが本当に辛い。特に高齢の親には言い淀んでしまいます。
 したがって映画の製作者としての立場だけを考えるなら、公開を1年くらい、思い切って延期してもらいたいというのが本音です。ウイルスを移し移されることを気にかけることなく、安心して映画を鑑賞いただくには、それが最良ではないか。『精神0』の配給をしてくれる東風の皆さんにそう提案し、連日頭を突き合わせて議論してきました。
 しかし公開を延期する方法には、大きな問題があります。
 もしすべての映画製作者が作品の延期を決めてしまったら、映画館は当面、いったいどうなってしまうのか。急場をしのぐために旧作を慌ててかき集めて上映を細々と続けるか、休館するしかなくなるでしょう。コロナ禍が長引けば、ほとんどのミニシアターは廃業せざるをえなくなるのではないか。つまり1年後に『精神0』の公開を延期したとしても、そのときには上映できる映画館が全滅した「焼け野原」になっている可能性すらあるのです。
 もちろん、日本政府や自治体が休館中の映画館の家賃や人件費の補償をしてくれるなら別です。しかし残念ながら、行政が本来取るべきそのような動きは、今のところ見受けられません。相変わらずの無策には本当に腹立たしい限りですが、正直、行政に対して文句を言っている暇やエネルギーすらない緊急事態です。私たち映画人や映画愛好者は知恵を振り絞り、なりふり構わず助け合って、なんとかみ・ん・なで生き残るすべを模索するしかありません。
 そこで浮上したのが、5月2日から『精神0』を“仮設の映画館”で上映するというアイデアです。つまりデジタル配信です。
 といっても、これは劇場公開の後に行われる通常の配信とは仕組みが異なります。
 観客の皆さんには、最寄りの映画館の特設ページに行っていただきます(東京圏の方は渋谷シアター・イメージフォーラムのページへ、岡山の方は岡山シネマクレールのページへ)。
 そして映画館で映画を観ていただく代わりに、オンラインでご鑑賞いただきます。料金は劇場で観ていただく一般的な当日料金の1800円です。お支払いいただいた1800円は、通常の劇場公開の場合と同様の割合で、映画館と配給会社、製作者に分配されます。3人のご家族でご覧いただく場合には、3回ご購入していただければ本当に助かります。
 もしこれがうまく機能すれば、映画館だけでなく、配給会社や製作者にも、通常の劇場公開を行った場合と同程度の収入が見込めます。そして『精神0』以外の作品でも同様のことが行えれば、たとえリアルな映画館が一時休館せざるをえなくなっても、収入の道が確保できます。したがってコロナ禍が過ぎた後、劇場・配給・製作の三者が生き残っている可能性が高まります。
 もちろん、このような方策に舵を切ることに、映画作家としてためらいもありました。それは配給会社や映画館も同じ気持ちです。僕らは常に映画館で観てもらうためにこそ、映画を作ったり届けたりしてきましたから。本来ならば、満員の映画館でワイワイガヤガヤ、『精神0』を観ていただきたいのです。
 しかし現在は非常時です。人が集まることや、公共交通機関で移動すること自体が感染拡大リスクを高めると言われている今、そして観客の皆さんが実際に劇場に来にくくなっている今、緊急避難としての代替方法も考えなければなりません。ここはインターネットを最大限に活用し、しのぐしかないのだと覚悟しています。少なくとも座して死を待つつもりはありません。『精神0』に関するインタビューや対談も、すべて対面ではなくビデオ通話に切り替えました。
 観客の皆さんのなかには、インターネットに接続されていない方もおられることでしょう。あるいは、オンライン配信の手続きを自力で行えない高齢者の方もおられることでしょう(うちの親などには無理なような気がします)。そんななか、地域や映画館によっては、感染拡大状況を確認しながら、「仮設の映画館」と並行して劇場を営業する映画館もあるでしょう。それは各劇場の状況判断におまかせする所存です。
 いずれにせよ、これは劇場、配給、製作、そして観客という「映画のエコシステム」を守るための苦肉の策です。ぜひとも趣旨をご理解いただき、積極的にご参加・拡散いただけると幸いです。
 『精神0』は、ベルリン国際映画祭でエキュメニカル審査員賞を受賞しました。審査員からは「人間が持つ力と愛する者へのケアの価値を描いた感動的な映画」と評していただきました。この時期だからこそ観ていただきたい作品です。
 コロナ禍が収束したあかつきには、本物の劇場で『精神0』を改めて公開することを目指しています。そのときはぜひ、“仮設の映画館”でご覧いただいた皆さんも、お近くの劇場に足をお運びいただきたい。そしてオンラインで観るのとは全く別の経験をして、改めて「映画館っていいもんだなあ」と、実感していただきたい。感染リスクを気にすることなく、トークイベントなども思い切りふんだんに実施したいと考えています。やはり人間には「集う」ことが必要なのだと、集うことが自由にできなくなった今、切実に感じています。
 コロナ禍が終わり、皆さんと実際に安心してお会いできる日が来ることを、楽しみにしております。みんなで一緒に乗り切っていきましょう!

鑑賞方法

Q.鑑賞方法を教えてください。
1.「仮設の映画館」内の各劇場ページで「¥1,800でレンタル」ボタンを押すと、動画共有サイトVimeoのアカウント登録の画面が出ます。すでにアカウントをお持ちの方はそのままログインしてください。初めての方は、Eメールアドレス・グーグルアカウント・Facebookアカウントで登録することができます。Eメールアドレスで登録する場合は、お名前・メールアドレス・任意のパスワードを記入して、登録ボタンを押してください。

2.登録・ログイン後、「お支払い情報を入力」というウィンドウが開きますので、支払方法・国名を選択・入力してください。
必要情報を入力し、「¥1,800でレンタル」ボタンを押すと、すぐに再生が可能になります。

※Vimeoは現在、クレジットカード(Visa、Mastercard、American Express)、PayPalに対応しており、日本円でお支払できます。
※JCBカードをご使用の方は「PayPal」にカード情報を登録した上で、「PayPal」を通じてお支払いいただけます。
※Vimeoからのメールを確実に受信できるように「@vimeo.com」と「@email.vimeo.com」をドメイン登録することを推奨します。
※「仮設の映画館」では、登録無料の「Basicプラン」で映画を観ることができます。Vimeoのアカウントには、「Basicプラン」の他に、Plus・Pro・Business・Premiumの4つの有料プランがありますが、「仮設の映画館」で映画を観るために有料プランに加入する必要はありません。

●さらに詳しい鑑賞方法は<こちらのPDFファイル>をご確認ください。
Q.『精神0』のストリーミング配信期間、鑑賞期限を教えてください。
A.『精神0』のストリーミング配信期間は、2020年5月2日(土)10:00~7月3日(金)18:00です。
配信期間中いつでもお好きな時間に購入・鑑賞いただけます。ダウンロードはできません。鑑賞期限は、レンタル購入後24時間以内です。その間は、いつでもご覧いただけます。

※7月3日(金)18:00に購入した場合は、翌7月4日(土)17:59まで鑑賞可能です。
Q.『精神0』を字幕・音声ガイド付きで鑑賞することはできますか?
A.『精神0』は現在、各言語の字幕や音声ガイド付きでの鑑賞には対応しておりません。音声は日本語のみになります。ご了承ください。
Q.海外からも鑑賞できますか?
A.『精神0』は日本国内でのみ鑑賞可能です。

よくある質問

「仮設の映画館」について

Q.「仮設の映画館」とは何ですか?
A.新型コロナウイルスの影響によって停滞している「映画の経済」を、全国の劇場、配給、製作、そして映画ファンのみなさんとともに回復させるための試みの一つです。詳しくは、こちらをご覧ください。
Q.本物の映画館での公開日はいつですか?
A.上映時期、期間は各劇場によって異なります。各劇場、または『精神0』の公式ホームページをご覧ください。
Q.「仮設の映画館」はいつまで開館していますか?
A.新型コロナウイルス禍が収まり、劇場へ安心して映画を観に行くことができるようになれば、すみやかに閉館します。また、作品ごとに配信期間が異なりますのでご確認ください。
Q.鑑賞料金はいくらですか?
A.『精神0』は、どの「仮設の映画館」でご覧になっても一律1,800円です。本物の映画館で鑑賞する場合は、各劇場ごとに「サービスデー」や各種割引サービスがありますが、「仮設の映画館」では本物の映画館の一般的な当日料金である1,800円で鑑賞いただきます。
なお、購入済みの『精神0』全国共通特別鑑賞券は、「仮設の映画館」での鑑賞には使用できません。
Q.1人で観ても、複数人で観ても同じ鑑賞料金ですか?
A.本物の映画館と同様に、ご覧になる人数分のレンタル購入をお願いします。
Q.本作品以外の映画も「仮設の映画館」で観ることが出来ますか?
A.「仮設の映画館」で観ることのできる作品はこちらをご覧ください。また、配信期間や鑑賞方法等は作品ごとに異なりますので各作品ページをご確認ください。

鑑賞方法について

Q.動画の再生が可能なブラウザを教えてください。
A.動画共有サイトVimeoが対応している以下のブラウザで再生可能です。
・Chrome ・Firefox ・Internet Explorer ・Microsoft Edge ・Safari
※いずれも最新バージョンであることをご確認ください。Vimeoサイト「視聴・閲覧・アプリのシステム条件」もご確認ください。
Q.コンピュータ以外に鑑賞可能なデバイスはありますか?
A.コンピュータ以外に、お使いのTVなどでの鑑賞も可能です。詳しくはVimeoサイト「Vimeoオンデマンド動画の鑑賞」をご確認ください。
Q.映像が途中で止まってしまうのですが、どうしたら良いですか?
A.お使いのコンピュータまたはデバイスの環境によって、動画の再生に影響が出る場合があります。また、再生時の画質の設定によって、改善されることがあります。詳しくは、以下、Vimeoのヘルプセンターページをご参照ください。

Q.動画が再生できません。
A.Vimeoサイト「購入のトラブルシューティング」をご確認ください。それでも原因が不明な場合は、こちらからVimeoへ直接お問い合わせください。

なお、東風にお問い合わせをいただいても、応答対応に時間がかかることがありますので、あらかじめご理解・ご了承くださいますようお願い申し上げます。

さらに詳しい鑑賞ガイドをダウンロードする

上映劇場

「仮設の映画館」へのご来場、ありがとうございました。
2020年7月3日をもって『精神0』の配信を終了しました。
今度は、本物の映画館でお会いしましょう!

<映画『精神0』公式パンフレット購入>
【東風オンラインショップ】

関東

北海道・東北

中部

近畿

中国・四国

九州・沖縄